阿部暁子 「カフネ」読了

どうもタジモブログです。
今年の本屋大賞を受賞した「カフネ」を読み終えました。以前の伊坂さんのトリプルセブンに引き続き、レビューを書いていきたいと思います。
1. ストーリー
物語は最愛の夫から別れを告げられ、仲の良かった弟との死別から始まります。そんな主人公薫子の生活は乱れてしまい、家はゴミ屋敷と化しています。また、アルコールを摂取しないと生きて行くことさえままならない状態です。
そんな中、弟の遺書に、恋人だった小野寺せつなへ遺産を相続するという内容が書かれていました。弟が死ぬ前に既に別れていたため、せつなは遺産相続を拒否。正義感の強い薫子は、何とか遺産を受け取ってもらえるよう奮闘します。
せつなが行っている、生活に困っている人たちに料理を作ったり、部屋を掃除したりするボランティアに協力すれば、遺産を受け取っても良いとの言葉を受けて、薫子はそのボランティアの協力を受けます。
弟の死因は?どんな生活を送っていたのか?物語が進むにつれて徐々に明らかになって行きます。
ちなみに、本のタイトルになっている「カフネ」とは、ポルトガル語で「愛する人の髪にそっと指を通す仕草」のことを表します。せつなが働いているハウスキーピング団体の名前になっております。団体代表者がお客さんに対し、すべての愛情を持って接するべきとの考えから、付けられた名前です。
2. 本屋大賞について
最近本はあまり読まないと書きましたが、本屋大賞受賞作については、結構読んでいます。去年の「成瀬は天下を取りに行く」も読みました。
本屋大賞は、全国の書店員が面白い・みんなに読んでもらいたい本ということもあって、読みやすいし、実際に面白いです。
直木賞や芥川賞受賞作は、その道のプロが選ぶということもあり、少々難しい印象があります。もちろん、本屋大賞の審査員のみなさんが全くの素人というわけではありませんが・・・。
本屋大賞は一次審査と二次審査に分かれています。一次審査では、一人三作品を投票します。二次審査は、その作品の中から10作品がノミネートされ、一か月程度で全ての本を読みます。さらに、読んだ本の中で1~3位の順位付けと10冊全ての感想を書きます。そのようにして、本屋大賞が選ばれるようです。一か月で10冊とはなかなか大変なことかと思います。読みやすい本がノミネートされているとは思いますが、三日で一冊はさすがにキツイ。こうして選ばれた本屋大賞のため、毎年、おもしろい本か選出されるのですね。
3. さいごに
生活が乱れた薫子は、せつなに料理を作ってもらい、おいしいと泣くことから、再生が始まります。その後、せつなが作る料理によって、さまざまな人が僅かながら助けられ、やはり生きて行くことは食べること、食べることの大切さを知ることができる作品であるとわたしは感じました。食べることから活力を得て、人を愛すことができ、生活できるのだなぁと。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございます。